1997-2006年の記録一覧
水産海洋シンポジウム
The Japanese Society of Fisheries Oceanography Symposium



沿岸水産海洋学のいま
−内湾域における水産資源の維持と培養に水産海洋学がどこまで寄与できるか−


 
  主 催:水産海洋学会
 
日 時: 2006年4月8日(土)9:00〜16:40
場 所: 東京海洋大学品川キャンパス(講義棟大講義室)
コンビーナー: 山本民次(広大院生物圏科学)、片山知史(水研セ中央水研)、小林雅人(横浜商大)
参加費: 無料(シンポジウムは非会員の方も参加自由です。)
プログラム
 
 
挨   拶:  水産海洋学会長・渡邊良朗(東大海洋研)
趣旨説明:  小林雅人(横浜商大)
1.増養殖の諸課題  座長:中田 薫(水研セ中央水研)  9:15〜11:15
• 沿岸域の漁場整備の方向性・・・井上清和(水産庁・漁港漁場整備部)
• 湾の物質収支から見た適正カキ養殖量の算定・・・山本民次(広大院生物圏科学)
• ヒラメの放流効果を高める諸条件・・・大河内裕之(水研セ宮古)

2.魚類資源の諸課題  座長:二平 章(茨城内水面水試)  11:15〜14:50
• 伊勢・三河湾における水産資源の変動と漁業生産・・・船越茂雄(愛知水試)
  昼休み(11:55〜13:10) [ 幹事会(12:00〜13:00)]
  宇田賞・論文賞授賞式 13:10〜13:30
• 内湾域で魚類の加入量を左右する要因は何か・・・日米のスズキ類を例にして・・・小路 淳(広大水実)
• ヒラメ幼稚魚成育場の環境収容力・・・山下洋(京大フィールド研セ)

3.モデル化の諸課題  座長:岸 道郎(北大院環境科学)  14:50〜16:10
• 海面魚類養殖漁場の適正養殖量モデル・・・横山寿・阿保勝之(水研セ養殖研)
• アサリの生活史を考慮した生態系モデルの構築・・・古川恵太(国総研)

4.総合討論  座長:山本民次(広大院生物圏科学)・片山知史(水研セ中央水研)
16:10〜16:40
2006年度水産海洋学会 通常総会  16:40〜17:30


開催趣旨

 沿岸域は魚介藻類に富み、増養殖も行われることなどから、非常に集約的な漁業活動が展開されている。しかも、陸水の流入に加え、人間活動のインパクトも大きく、水産資源はその影響を強く受け変動する。また同時に、生態系内での被食捕食、種間関係などの生物間の相互作用が加わり、環境と生物と人間活動の関係は非常に複雑である。沿岸環境の保全・改善を図りつつ、沿岸資源の維持・培養に取り組むためには、物質循環を定量的に把握し、生態系モデルによって人為的攪乱の影響を予測するとともに、主要な構成要素である魚類、貝類の生物生産(成長)および加入に関わる生物的・物理的環境要因を明らかにする必要がある。今回は、内湾域を中心とした沿岸域の水産資源変動の課題に対して、水産海洋学がどこまで寄与できるのか、最新の研究成果を紹介し議論することにより、現状の問題点を浮き彫りにし、今後の方向性を明らかにしたい。