2013年度春季水産海洋シンポジウム
魚種交替のシンテシス
−気候変動による海洋生態系・浮魚資源変動機構および
その科学的理解に基づく社会への貢献−
日 時:
2013年3月21日(木)9:00-17:00
場 所:
東京都港区港南 東京海洋大学
コンビ−ナ−:
齊藤宏明(水研セ東北水研)、見延庄士郎(北大院理)、桜井泰憲(北大院水産)、牧野光琢(水研セ中央水研)
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要旨PDF
挨拶 水産海洋学会長 桜井泰憲
9:00-9:05
趣旨説明: 魚種交替のメカニズムとその理解に基づく社会への貢献
齊藤宏明(水研セ東北水研)、見延庄士郎(北大院理)・
桜井泰憲(北大院水産)・牧野光琢(水研セ中央水研)
9:05-9:10
基調講演1:魚種交替につながる海洋物理環境の変動メカニズムと予測可能性
野中正見・田口文明・佐々木英治(JAMSTEC)
9:10-9:45
生態系変動を引き起こす大気ー海洋相互作用
見延庄士郎(北大院理)
9:45-10:10
黒潮続流の海洋物理構造とマイワシ加入との関係
安田一郎(東大大気海洋研)・西川悠(JAMSTEC)・
伊藤幸彦(東大大気海洋研)・小松幸生(東大院新領域)
10:10-10:35
黒潮続流域とカリフォルニア海域の物理環境の相互関係
田口文明(JAMSTEC)・野中正見(JAMSTEC)・
中村尚(東大院理)・Emanuel Di Lorenzo(Georgia Tech. Univ.)
10:35-11:00
太平洋の東西における浮魚資源の変動と生物特性
須賀明典(水研セ中央水研)・青木一郎(東大院農)・
大関芳沖 (水研セ中央水研)
11:00-11:25
黒潮続流低次生態系の特性と変動機構
高橋一生(東大院農学生命)
11:25-11:50
昼食(幹事会)
11:50-13:00
学会賞授与式
13:00-13:25
基調講演2:マイワシ、マサバの加入過程と生残機構の解明に向けて
川端淳・高橋正知・須原三加・渡邊千夏子・
本田聡・久保田洋(水研セ中央水研)
13:25-14:00
マサバの加入機構に関する実験アプローチ:初期生態に及ぼす母性効果と水温影響
米田道夫(水研セ瀬戸水研)・北野 載・ 松山倫也(九大院農)・
高橋正知・川端 淳・清水昭男(水研セ中央水研)
14:00-14:25
魚種交替に伴う生態的特性の変化
渡邊良朗・勝川木綿 (東大大気海洋研)・
渡邊千夏子(水研セ中央水研)
14:25-14:50
マイワシ資源変動機構の理解への数値モデルによる試み
奥西武(水研セ東北水研)奥西武・安倍大介(水研セ中央水研)
・伊藤進一(水研セ東北水研)
14:50-15:15
休憩
15:15-15:30
魚種交替を前提とした漁業管理制度の提言
牧野光琢・金子貴臣(水研セ中央水研)
15:30-16:00
総合討論: 魚種交替のシンテシス
16:00-17:15
2013年度水産海洋学会総会
17:30
開催趣旨:
マイワシやマサバ等多獲性浮魚類資源は数十年周期の大規模な変動をする。この変動は、巻き網漁業や魚粉・魚油製造、水産加工といった浮魚資源に関連する多くの産業と地域経済に影響を及ぼすことから、その発生機構の解明と予測手法の開発が求められてきた。2007年から2012年まで行われた農林水産省のプロジェクト研究「魚種交替の予測・利用技術の開発」では、この浮魚資源変動過程と変動メカニズムについて気象学・海洋物理学から魚類生理・生態に至る総括的な研究が行われ、多くの新しい知見が得られた。本シンポジウムはこのプロジェクトにおいて得られた知見を統合し、新しい浮魚資源変動シンテシスを提言することを第一の目的とする。また、日本の浮魚資源を変動させる物理機構が、カリフォルニア等他の海域の資源に与える影響について検討する。さらに、資源変動・魚種交替を前提とした漁業管理に関する議論を行い、自然科学の知見を用いた、より安定的な漁業経営や食料供給を可能とする政策を検討する。