挨 拶: |
水産海洋学会長 桜井泰憲(北大院水産)
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13:00〜13:05 |
趣旨説明: |
コンビーナー 日比野 学(愛知水試漁生研)
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13:05〜13:15 |
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座長:藤水野知巳(三重水研鈴鹿) |
1.漁業資源形成過程での浅場の役割について |
(1) 稚魚成育場としての浅場
津本欣吾(三重水研)
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13:15〜13:45
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(2) 甲殻類資源の成育適地
原田 誠(愛知水試漁生研)
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13:45〜14:15
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(3) 内湾性二枚貝の成育場と漁場
宮脇 大(愛知水試漁生研)
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14:15〜14:45
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(休憩:14:45〜15:00)
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座長:中村元彦(愛知県庁水産課) |
2.浅海域の変遷と問題 |
(4) 三河湾のデッドゾーンの現状と機能喪失 和久光靖(愛知水試) |
15:00〜15:30
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(5) 浅場の生物生産機能と保全の意義−東京湾の事例− 加納光樹(茨城大広域水圏環境科学教育研究セ) |
15:30〜16:00
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座長:日比野 学(愛知水試漁生研) |
3.総合討論 |
16:00〜16:45
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趣旨: |
伊勢・三河湾に代表される内湾は、人間の社会活動に最も近い水圏環境であるため、人為的改変を受けやすく、特に高度成長期以降は埋め立てや港湾化などにより、貴重な浅場が次々に失われてきた。浅場の消失は、水質浄化機能の低下をもたらし、赤潮や貧酸素水塊の発生の主要な原因と認識されている。一方で、浅場は生物生産機能の高い場所であり、漁場としての重要性に加え、漁業対象種の成育場としての重要性が指摘されている。生物の一生(生活史)において、一時期のみ浅場を利用する種にとっても、その消失や変化は資源形成において致命的である。また、夏季に恒常的に貧酸素化が起こる現在の内湾では、浅場は数少ない生息可能な場所の一つとなる。これらのことから、浅場に出現する種やその生活史にとって浅場が持つ生態的な位置づけを理解し、成育場あるいは漁場としての機能を時空間的に評価することは、漁業資源における“場の重要性”を明確にするとともに、資源変動や漁業対象種の変化を「場」の変化から探る上でも重要な作業であろう。さらに、過去に起こった浅場の消失が、生物生産面にどのような影響を与えたかについて検証することも、今後の漁場環境保全を進める上で必要なステップと言えよう。
本研究集会では、今残されている浅場が、漁業対象生物の成育場としてどのような役割を担っているのかについてこれまでの知見を基に整理し、人為的改変による生物生産機能の変化や漁業に与える影響を他海域の例も含めて情報共有することで、多様な漁業生産構造の自律的復活に向けた、将来への浅場の管理や保全・復元への方向性を議論する。
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