衛星リモートセンシング漁業水産ワークショップ in 宮崎
−ALOS衛星「だいち」とカツオ漁業への衛星の利用−
主 催:
宇宙航空研究開発機構、水産海洋学会、(財)リモート・センシング技術センター、衛星リモートセンシング推進委員会漁業・水産WG、(社)漁業情報サービスセンター
後 援:
宮崎県、(独)水産総合研究センター、宮崎県漁業協同組合連合会、日南市、南郷町、日南市漁業協同組合、南郷漁業協同組合、栄松漁業協同組合、外浦漁業協同組合
日 時:
2007年1月6日(土) 13:00〜17:30
会 場:
南郷漁業協同組合 漁民センター 大ホール
コンビ−ナ−:
佐藤 信武(宮崎県水産試験場)、蔭山 邦幸(リモート・センシング技術センター)、山崎 孝(宇宙航空研究開発機構)、為石 日出生(漁業情報サービスセンター)
開 会
司会:吉松 定昭 (香川県水産試験場)
13:00〜13:20
あいさつ: 佐藤 信武(宮崎県水産試験場場長)
坂田 俊文(衛星リモートセンシング推進委員会委員長)
渡邊 良朗(水産海洋学会 会長)
趣旨説明: 為石 日出生(漁業情報サービスセンター 漁業・水産WG主査) 13:20〜13:30
報 告
13:30〜13:50
ALOS「だいち」が見た海のようす
山崎 孝(宇宙航空研究開発機構)
基調講演
13:50〜14:40
カツオの研究に取り組んで
—漁師さんとの会話の中から衛星漁業情報の将来を考える—
二平 章(茨城県水産試験場)
セッション1
ALOS「だいち」などを利用した漁業への新しい取り組み
14:40〜15:40
座 長:
中村 元彦(愛知県水産試験場)
1) 高解像度レーダ画像を利用したカツオ漁場推定手法の検討
蔭山 邦幸(リモート・センシング技術センター)
2) ALOS「だいち」センサの沿岸漁業利用
安藤 朗彦(福岡県水産海洋技術センター豊前海研究所)
3) ALOSによる水産海洋分野への適用
木村 典嗣(NTTデータ)
休 憩
15:40〜15:50
セッション2 燃油高騰期の衛星利用カツオ漁場探索
15:50〜16:50
座 長:
菊池 隆展(愛媛県水産試験場)
4) 宮崎県のカツオ竿釣り漁業と衛星データ利用
東 明浩 (宮崎県水産試験場)
5) 衛星を利用したカツオ漁場探索について]
伊藤 恭市(三重県農水商工部水産室)
6) 衛星画像からみた紀伊半島沖のカツオ漁場
竹内 淳一(和歌山県栽培漁業センター)
小久保友義(和歌山県農技センター・水産試験場)
総合討論
ALOS「だいち」などによる衛星情報が燃油軽減にどの程度貢献できるか
16:50〜17:20
司 会:
田中 宏明(宮崎県水産試験場)・為石 日出生(漁業情報サービスセンター)
閉会挨拶
山崎 孝(宇宙航空研究開発機構)
17:20〜17:30
開催趣旨:
2006年1月24日、人工衛星「だいち」(ALOS)が打ち上げられ、ほぼ1年が経過した。「だいち」は、陸域だけでなく海の状況も鮮明に観測し、我が国の衛星では初めて「赤潮」を捉えることに成功した。
海を科学する観測センサは日進月歩で発達している。宇宙からの観測もその一つであり、「だいち」センサPALSAR・AVNIR-2は、海の微細構造やまだ発見されていない新しい海の現象を捉えてくれる可能性が高いと期待されている。
今日、渦・潮境を明確に示している衛星水温図は、多くの漁業者によって日常的に利用されるようになった。衛星水温図の作成に当たり雲は最大の問題点であったが、我が国のマイクロ波放射計(AMSR-E)が雲を通しての水温観測を可能にしたために、その問題点は克服されようとしている。また、魚の餌の状態を示す海の色は、昔から漁業者が自分の目で見て魚の発見に利用していた。海色センサ(MODIS)は、この海の色を宇宙から観測するものである。
一方、高騰する燃油の節約と計画的で効率的な操業をするためにも、魚群探索技術の開発がますます重要となってきており、その技術を活用した漁場形成機構の解明が急がれている。魚群が感知するのは、北海道もの大きさの暖水塊ではなく、せいぜい魚群と同じ大きさの海の現象である。ここに高分解能センサを有する衛星「だいち」の活躍の場がある。
カツオ竿釣漁業の漁業者は、長年培われた「勘」や「経験」が宇宙からの観測と良く一致することを知っている。そこで、今回、日本一の近海カツオ船隻数を誇る宮崎県でこのワークショップを開催し、宇宙から観測された海洋情報のカツオ漁業への利用と漁船燃油の軽減効果について議論を深めたい。