九州沖縄地区合同シンポジウム「東シナ海の黒潮・対馬暖流と生物資源」
講演募集のお知らせ
2005年度水産海洋学会地域研究集会として、下記のような趣旨に基づき,九州沖縄地区合同シンポジウム(共催:日本海洋学会西南支部・海洋気象学会)を開催します。日程,開催場所は次のとおりです。話題提供者を募集しますので,講演希望者は募集要領にしたがって応募してください。
日 時:
2005年12月7日(水)
(西日本海洋調査技術連絡会議の翌日)
場 所:
鹿児島大学工学部
コンビーナー:
中村啓彦(鹿児島大学水産学部),山城徹(鹿児島大学工学部),塚本洋一,種子田雄(西海区水産研究所)
講演時間:
招待講演30〜40分(1〜2題),一般講演15〜25分(8〜10題)
(講演者数により時間を変更する場合があります)
参加登録料:
無料
開催趣旨:
水産学の主要な目的の一つとして,資源変動や漁場を予測することがある。これらの予測をサイエンスとして成立させるには,資源変動や漁場形成を支配している複雑なプロセスを1つ1つ理解しなければならない。その基盤となるのは,対象海域における海洋(物理・化・生物)学的な知見である。本シンポジウムは,海洋(物理・化・生物)学と水産学の調査・研究者が一堂に会して最新の知見を交換し,黒潮・対馬暖流系の海洋現象が東シナ海およびその周辺海域における資源変動や漁場形成などに果たす役割の理解を深めることを目指す。
東シナ海は,有用魚類の産卵・成育場として重要な海域であることが知られている。ここで産卵され孵化した仔稚魚の餌料環境や物理環境(水温・塩分など),そして輸送経路を支配している代表的な海洋現象として以下のことを挙げることができる。すなわち,東シナ海大陸棚上での黒潮水や大陸沿岸水の化学・物理特性とその複雑な分布,また,様々なスケールでの流速場の時間空間変動,例えば黒潮前線波動に起因する低気圧性渦による水塊形成と海水交換過程,黒潮や対馬暖流による良好な成育場である九州沿岸への卵・仔稚魚の輸送過程や日本海と太平洋への輸送量の振り分け,などである。そこで、地先を含む東シナ海一帯における産卵・成育場や漁場形成および資源変動などに関する情報,また餌料環境に関わる栄養塩・動植物プランクトンの時間空間変動,大陸棚や九州沿岸域の流動と黒潮・対馬暖流の時間空間変動などについて,各種観測資料の解析,数値計算,理論からの幅広い話題を募集する。
■一般講演の募集要領
締 切:
9月15日(木)必着
事 項:
講演題目,講演者所属・氏名,100字程度の概略要旨(fax, e-mail可)
一般講演の採否結果は10月上旬までに通知します。
申込先:
〒890-0056鹿児島市下荒田4−50−20
鹿児島大学水産学部 中村啓彦
電話:099-286-4100 Fax:099-286-4103
e-mail:
nakamura@fish.kagoshima-u.ac.jp
■講演要旨
締 切:
11月30日(水)必着
書 式:
水産海洋学会の研究発表大会の講演要旨
に準ずる。
・A4版用紙2枚以内
・マージンは,上下端30mm,左右端20mm
・研究題目,発表者,所属,キーワードを上段(30mm程度)に記入,本文は2段組が望ましい。図表は,本文の枠内に直接貼り付けてください。
送 付:
郵送の場合は,上記の申込先住所に郵送してください(「要旨集原稿」と朱筆)。電子メールに添付する場合は,PDFファイルの形式で上記の申込先e-mailアドレスへ送付してください(件名に「要旨集原稿」と記載)。
趣旨説明:
コンビ−ナー
中村啓彦
9:00-9:10
座長
中村啓彦(鹿児島大学水産学部)
1)基調講演:海洋生態系のレジーム・シフトと東シナ海の海洋環境
杉本隆成(東海大学海洋研究所)
9:10-10:00
座長
塚本洋一(西海区水産研究所)
2)冬〜春期の東シナ海南部におけるマアジ仔稚魚の餌料環境
西内耕(西海区水産研究所)
10:00-10:25
3)対馬暖流の低水温が引き起こすマアジ当歳魚の日本海への来遊阻害について
木所英昭,加藤修,田永軍(日本海区水産研究所)
10:25-10:50
4)長期海面水温データを用いた九州・沖縄海域の特徴
分木恭朗(長崎海洋気象台)
10:50-11:15
5)高精度海況予測システムによるマアジ卵稚仔輸送・生残の年々変動特性
小松幸生(中央水産研究所),笠井亮秀(京都大学院農)
11:15-11:40
セッション討論
11:40-11:50
昼食(日本海洋学会西南支部総会) 11:50-13:15
座長
種子田雄(西海区水産研究所)
6)東中国海の基礎生産に対する黒潮中深層起源の栄養塩の寄与について
Lee Joon-Soo(九州大学総理工),松野健(九州大学応力研),
鈴木洋平(九州大学総理工),石坂丞二(長崎大学水産学部)
13:15-13:40
7)黄海に流入する黄河・揚子江の水量減少に伴う東支那海生物生産への影響
小網汪世(海洋圏研究所 マリン・インパクト21)
13:40-14:05
8)日本海南西海域のクロロフィル分布について
渡辺俊輝(山口県水産研究センター),中川倫寿(西海区水産研究所)
14:05-14:30
セッション討論
14:30-14:40
休憩 14:40-14:55
座長
山城徹(鹿児島大学工学部)
9)東シナ海での台風による基礎生産の上昇
エコシスワント, 石坂丞二(長崎大学水産学部)
14:55-15:20
10)沖縄本島東シナ海側における春季の海況変動
下條武(沖縄県水産試験場),種子田雄(西海区水産研究所)
15:20-15:45
11)九州南西海域での黒潮流路の変動システム
中村啓彦(鹿児島大学水産学部)
15:45-16:10
セッション討論
16:10-16:20
司会
コンビ−ナー
12)総合討論
16:20-16:50