1997-2011年の記録一覧
水産海洋シンポジウム
The Japanese Society of Fisheries Oceanography Symposium



近年の海洋環境とマイワシ等の動向:魚種交替の予兆か?
 
日 時: 2011年3月26日 (土) 9:00-18:00 (中止)
※3/26予定の幹事会は3/18-3/20メールにて実施しました
場 所: 東京大学柏キャンパス 新領域環境棟FSホール(第2会場)
共 催: 水産海洋学会
コンビーナー:  谷津明彦(中央水研)・中田 薫(中央水研)・花輪公雄(東北大学)・ 渡邊朝生(中央水研)・杉崎宏哉(中央水研)
プログラム
 
 
開会
9:00-9:05
挨  拶: 桜井泰憲(水産海洋学会会長)
9:05-9:15
趣旨説明: 杉崎宏哉(中央水研)
9:15-9:30
第1部 海洋環境の長期変動と近年の特徴
座長:渡邊朝生
1 気候・海洋の長期変動と近年の動向:気候レジームシフトの生起条件
安中さやか(東大大気海洋研)・花輪公雄(東北大院)
9:30-9:50
2 日本近海の物理環境の長期変動と最近の状況
伊藤進一(東北水研)
9:50-10:10
3 海面クロロフィル濃度から見たブルーミング時期の変遷
亀田卓彦(西海水研)
10:10-10:30
4 親潮および黒潮親潮移行域における動物プランクトンの近年の動向
田所和明・岡崎雄二(東北水研)
10:30-10:50
5 黒潮域の動物プランクトンの現存量の長期変動
市川忠史・日高清隆・黒田寛・広田祐一・中田薫(中央水研)
10:50-11:10
水産海洋学会 宇田賞・論文賞授賞式: 11:10-11:30
昼食休憩 (水産海洋学会 幹事会 11:45-12:45): 11:30-13:00
第2部 マイワシ等の長期変動と近年の特徴
座長:杉崎宏哉・谷津明彦
6 マイワシ太平洋系群の資源変動要因:黒潮と黒潮続流域に焦点を当てて
安田一郎・西川 悠(東大大気海洋研)
13:00-13:20
7 マイワシ太平洋系群の近年の資源動態と1970年前後との比較
本田 聡・西田 宏・谷津明彦(中央水研)
13:20-13:40
8 資源量低水準期における房総から常磐海域のマイワシの成長、肥満度、および成熟係数と資源量の関係
鈴木達也(千葉水研セ)
13:40-14:00
9 マイワシ対馬暖流系群の近年の動態
田中寛繁・大下誠二(西海水研)
14:00-14:20
休憩 14:20-14:40
10 太平洋および対馬暖流域におけるカタクチイワシの資源変動の現状
大下誠二(西海水研)・久保田洋(中央水研)
14:40-15:00
11 マサバ太平洋系群・対馬暖流系群の資源の長期変動と近年の動態
川端 淳(中央水研)渡邊千夏子(中央水研)・由上龍嗣(西海水研)
15:00-15:20
12 マイワシ・マサバ・カタクチイワシ太平洋系群の産卵と初期生残メカニズム
高須賀明典・川端 淳・高橋正知(中央水研)
15:20-15:40
第3部 今後の展望
座長:花輪公雄・中田 薫
13 気候・海洋レジームシフトのメカニズム候補と早期探知の可能性
見延庄士郎(北大院)
15:40-16:00
14 魚種交替メカニズム解明と予測手法開発におけるシステム科学ムーブメント
齊藤宏明(東北水研)
16:00-16:20
15 総合討論
(多獲性浮魚資源の大きな変動に資源学・海洋学の両面からどのようなアプローチが期待されるか)
16:20-16:50
水産海洋学会 2011年度通常総会: 17:00-18:00
開催趣旨:
 国内漁業生産量に大きな割合を占める多獲性浮魚類の資源変動メカニズム研究は飛躍的に進歩し、加入量予測へのアプローチも始められている。そのような中で、2000年代に低水準で推移してきたマイワシ太平洋系群では、2008および2009年級群の加入量が近年では大きいことが漁獲量にも反映され、2010年の幼魚調査でもさらに大きな加入量が見積もられている。これらの事実はこれまでの低水準期には見られなかったものであり、1970年代のマイワシ資源上昇期との関連が注目される。マサバも卓越年級群の発生や資源回復計画により資源が増加している。一方、カタクチイワシは資源の減少傾向が見られている。環境に目を転ずると本年は厳冬から一転して猛暑となり、昨年のエルニーニョ状態から本年初夏にはラニーニャ状態へと急変した。このような浮魚類の資源変動と気候・海洋環境の動向に関連性があるとすれば、新たなレジームシフトに結びつく可能性がある。
 本シンポジウムでは、様々な環境要素と海洋生態系の現場観測およびモデルに基づいて、水産資源の加入量変動とそのメカニズムを検討する。特に、近年の環境とマイワシ等の動向に注目し、これまでの低水準期や1970年代との比較により魚種交替の可能性を議論する。