シンポジウム 「南極ロス海域の海洋生態系—フィールド調査の最前線と展望—」
日 時: 2009年4月5日(日) 09:30〜17:00
会 場: 東京大学本郷キャンパス 理学部1号館3階336教室
(日本海洋学会春季大会会場)
共 催: 水産海洋学会、日本海洋学会、日本水産学会
コンビーナー: 永延幹男(遠水研)・藤瀬良弘(日鯨研)・村瀬弘人(日鯨研)・ 古谷 研(東大院農)・宮下和士(北大FSC)


 
挨  拶: 水産海洋学会会長 渡邊良朗(東大海洋研) 09:30-09:32
趣旨説明: 永延幹男(遠水研) 09:32-09:35
座長:武田重信(東大院)
1.開洋丸/JARPAによる生態系フィールド共同調査
○永延幹男(遠水研)・西脇茂利(日鯨研)・永井信之(水産庁開洋丸)・遠山大介(共同船舶)
09:35-10:00
2.開洋丸/JARPAによる海洋物理化学環境調査
○矢吹 崇(東北大流体研)・ 野入善史(マリン・ワーク)・村瀬弘人(日鯨研)・ 木和田広司(日鯨研)・松岡耕二(日鯨研)・永延幹男(遠水研)
10:00-10:25
3.海氷融解期の植物プランクトン群集動態
○古谷 研・吉川康平・武田重信(東大院)
10:25-10:50
(休憩:10:50-11:00)
座長:宮下和士(北大FSC)
4.大型動物プランクトン群集組成
○渡邉侑子(海洋大)・澤本彰三(東海大)・石丸 隆(海洋大)・永延幹男(遠水研)
11:00-11:25
5.オキアミ類の水平・垂直分布並びに個体群構造
○瀧 憲司(遠水研)・矢吹 崇(東北大)・野入善史(マリン・ワーク)・林 倫成(東峰)・ 永延幹男(遠水研)
11:25-11:50
6.計量魚群探知機を用いたオキアミ類の現存量推定
○安間洋樹(北大FSC)・松倉隆一(北大FSC)・高尾芳三(水工研)
11:50-12:15
(昼食休憩:12:15-13:15)
7.魚類群集組成
○岩見哲夫(東京家政学院大)・林 倫成(東峰)・永延幹男(遠水研)
13:15-13:40
座長:後藤睦夫(日鯨研)
8.海鳥類の分布特性
○國分亙彦(総研大極域)・安間洋樹(北大FSC)・村瀬弘人(日鯨研)・永延幹男(遠水研)
13:40-14:05
9.南極海鯨類捕獲調査(JARPA)におけるロス海の位置付け
○藤瀬良弘・西脇茂利・石川 創(日鯨研)
14:05-14:30
10.鯨類の発見組成と分布特性
○松岡耕二・木和田広司・村瀬弘人・西脇茂利(日鯨研)
14:30-14:55
11.クロミンククジラの摂餌生態
○田村 力(日鯨研)・小西健志(日鯨研)・西脇茂利(日鯨研)・瀧 憲司(遠水研)・林 倫成(東峰)・永延幹男(遠水研)
14:55-15:20
12.環境要因を考慮した鯨類の空間分布推定
○村瀬弘人(日鯨研)・松岡耕二(日鯨研)・袴田高志(日鯨研)・西脇茂利(日鯨研)・永延幹男(遠水研)・北門利英(海洋大)
15:20-15:45
(休憩:15:45-15:55)
13.開洋丸-JARPA共同調査の考察 環境-餌生物-捕食者の相互関係
○永延幹男(遠水研)・村瀬弘人(日鯨研)
15:55-16:20
14.総合討論
座長: 永延幹男(遠水研)・藤瀬良弘(日鯨研)
16:20-17:00
開催趣旨:
 南極海はそのフィールドの重要性から世界各国の調査研究活動が活発である。こうした成果を踏まえて、近年の南極海の海洋環境や生態系は大きく変動していることが明らかになってきた。我が国では、しらせ・海鷹丸・白鳳丸等の科学調査活動とともに、開洋丸調査および日新丸船団・南極海鯨類捕獲調査(JARPA)等による海洋生物資源系調査が長年に渡って実施されてきている。しかし、各調査の個別知見は収集されてきたが、海洋環境、基礎生産およびオキアミ・魚類等の低次栄養段階から、鯨等の高次栄養段階にいたる生態系全体を総合的に調査したフィールド事例はほとんどなかった。そこで、開洋丸とJARPAは各調査能力の特徴を相互に活かした共同調査を、2004/05年に南極ロス海域で実施した。「海洋環境(海洋物理化学構造・融氷域の低次基礎生産等)-餌生物(オキアミ・他動物プランクトン・魚類等)-鯨類等の高次捕食者間における生態的連関」に関して、精密なスケールでの基礎データを収集した。本シンポジウムでは、ロス海域の海洋生態系の研究へ貢献することを目的とし、これらの最前線の調査成果を提示して、南極海生態系のフィールド調査課題の検討と、人材育成および連携研究を含む展望の討論を行う。