第16回熊野灘の漁業を考える
—山・川・海の水循環と地域結集による海〔生み〕場の保全造成—
共 催: 水産海洋学会・熊野灘漁業を考える会・三重県科技センター水産研究部
日 時: 2007年2月17日(土)13時〜17時45分
開催場所: 尾鷲市中央公民館3F講堂(尾鷲市中村町)
コンビ−ナ−: 関根義彦(三重大院生物資源)、栗藤和治(尾鷲市)、伊藤宜毅(考える会)、水口忠久(三重津農水)、遠藤晃平(三重農水商工)、山川卓(東大院農)


 
総合司会 遠藤晃平(三重農水商工)
13:00〜17:45
開会挨拶:渡邊良朗(水産海洋学会会長)、伊藤宜毅(考える会代表)
13:00〜13:15
趣旨説明:水口忠久(三重津農水)
13:15〜13:30
〔基調講演〕
13:30〜14:20
—山・川・人・そして地域の結集が海〔生み〕場を造る−
松田治(広島大学名誉教授)
セッションI  山・川・海の水循環と往き来する魚類相
14:20〜15:20
1)森林腐葉土の役割と川・海への影響
杉本隆庸(東大院農学生命科学)

2)海水・汽水・陸水を往来する魚類相
原田泰志(三重大院生物資源)
座 長:津本欣吾(三重科技セ水)、南勝人(三重農水商工)
休  憩
15:20〜15:30
セッションII  陸域の水循環と海洋変動による海場の環境変化
15:30〜16:30
1)陸域と海との関わり
葛葉泰久(三重大院生物資源)

2)気候変動と黒潮を含めた海洋循環
関根義彦(三重大院生物資源)
座 長:平山厚(紀北町)、馬場俊幸(三重農水商工)
セッションIII  山・川・海の相互関係と漁場の保全造成
16:30〜16:50
依頼討論:杉本隆成(東海大海洋)
総合討論
16:50〜17:40
まとめと閉会:栗藤和治(尾鷲市)
17:40〜17:45
開催趣旨:
 豊かな山が、豊かな川を育み、豊かな山・川が豊穣な海を育て、山・川・人、そして地域の連携と結集が良好な海〔生み〕場を造る。かつて、大林太良氏は「古代は、海と山が交錯していたところを山と見なした」とも言っている。また、山ノ神がオコゼを好んだり、海ノ神に鹿角を供えたりしているように、「海ノ神が山の幸を、山ノ神が海の幸」を求めていたのである。そこで、14・15回地域研究集会に引き続いて、山・川・海の水循環と繋がり、その有機的機能を検証する。山を削り、河川を改修し、沿岸域をコンクリート化すれば、山・川・海の良好な環境は維持されず、ひいては悪化が常習に至り、そして林・農・水の産業も衰退しかねない。そこで、今回のシンポジウムでは、山・川・海が従来から持っている水循環機能に焦点を当て、それらの繋がりと役割をより深く把握し、林業・農業・水産業に従事する三者が、地域の連携と結集を図ることで、環境保全と生物多様性の持続、さらには限りある資源を有効利用することへの提言を行うため、より一層の議論を深めたい。